仮想通貨のブリッジとは?ブロックチェーン間の移動のやり方を徹底解説!
暗号資産業界で最も有名なビットコインやイーサリアムなどのパブリック・ブロックチェーンは、誰でも閲覧できるデジタル台帳となっています。
ただ、全てのオンチェーンデータが公開されている一方で、どのブロックチェーンも孤立した環境で開発されておりルールやコンセンサスメカニズムが異なっています。
つまり、それぞれのブロックチェーンが独立しており、お互いがネイティブに通信することができず、ブロックチェーン間でトークンを自由に移動させることができません。
そこで、PolkadotやCosmosなどの有名プロジェクトは、異なるブロックチェーン同士をつないで相互運用できるようにすることを目指しています。
ただ、単に仮想通貨を他のチェーンへ動かし、dapps等のサービスを使いたいと思っているだけのユーザーもいます。
今回は、チェーン間で資産を移動させる仮想通貨ブリッジについて分かりやすく解説していきます。
- 仮想通貨ブリッジは、異なるブロックチェーン間で資産を移植するためのツール
- 仮想通貨ブリッジによって資産の移動に手間がかからず無駄な手数料がかからない
- AnySwapやWormholeなどの有名なブリッジがある
- 資金が引き出せなくなるリスクやハッキングに合うリスクが存在する
- 初心者で安全安心に取引を行いたい方はCoincheckをチェック
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仮想通貨のブリッジとは?
仮想通貨ブリッジは、あるブロックチェーンから別のブロックチェーンに資産を移植するためのツールで、ブロックチェーンの主な問題点である相互運用性の欠如を解決します。
異なるブロックチェーンをつなぐためにブリッジが存在し、ブロックチェーン間の情報やトークンのやり取りを可能にします。
例えば、アメリカ旅行をするとき、両替所で手数料を払って円をドルに交換できます。
ブロックチェーンの場合は、イーサリアム(ETH)やERC20トークンをソラナブロックチェーンのトークン規格である「SPLトークン」へと接続することを例に挙げます。
ブリッジを使用することで、1枚のETHをSOLウォレットに送信すると、そのウォレットはブリッジによって「ラップ」されたトークンを受け取ります。
つまり、送った先のブロックチェーンに基づくトークン規格に変換されたトークンを受け取ることになります。
この場合は、SOLウォレットはソラナブロックチェーンのトークン規格である「SPLトークン」に変換されたETHの「ブリッジ」バージョンを受け取ることになるのです。
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仮想通貨のブリッジをするメリット
仮想通貨ブリッジの概要について解説したところで、メリットを3つ紹介します。
- 異なるチェーンに通貨を送れる
- 手間がかからない
- 無駄な手数料がかからない
一つずつ確認していきましょう。
異なるチェーンに通貨を送れる
概要で解説したように、ブロックチェーンブリッジは異なるチェーン間で簡単にトークンのやり取りを可能にします。
通常、独立したブロックチェーン間でトークンを自由に動かすことは難しいです。
ブロックチェーンブリッジを活用することで、仮想通貨を他のチェーンへ動かすことができます。
仮想通貨を他チェーンに容易に動かすことで、独立したブロックチェーン上に存在する独自のdapps等のサービスを使用できるようになります。
簡単な具体例を挙げると、ビットコインのようにdappsが少ないブロックチェーンから、多くのDappsが存在して流動性が大きいイーサリアムへ、デジタル資産を移行できます。
他にも、ガス代が高いイーサリアムからガス代が安いソラナにも適用できるブリッジがあります。
手間がかからない
ブロックチェーンブリッジを活用することで、仮想通貨の送金の手間が省けます。
従来、ブロックチェーンブリッジを使用しない場合は、暗号資産取引所とメタマスクを往復する必要がありました。
例えとして、イーサリアム上にあるUSDCをバイナンススマートチェーン(BSC)上にUSDCで送りたい場合を考えます。
今までは、メタマスク上にあるUSDCを暗号資産取引所バイナンスに送って、バイナンスからBSC上に送る必要がありました。
つまり、別のチェーンに自分の仮想通貨を送る場合、その都度CEXの取引所を挟む必要がありました。
上記のようなCEXを通して数回ウォレットの送受信を行わないといけない行為を、ブロックチェーンブリッジを活用することで省くことができます。
このように手間のかかる作業を短縮できるメリットがあります。
無駄な手数料がかからない
ブロックチェーンブリッジを活用することで、無駄な手数料がかかりません。
従来の手間がかかるやり方だと、その分ガス代や手数料などが送金のたびにかかります。
ブロックチェーンブリッジも活用した際に手数料がかかりますが、取引所を経由して別のブロックチェーンに送金するよりも手数料はかからない可能性があります。
簡単に異なるブロックチェーン間で仮想通貨を送金したい場合は、手間がかからない上に手数料も抑えることが可能なブロックチェーンブリッジを活用してみましょう。
仮想通貨のブリッジのやり方
続いて、仮想通貨のブリッジのやり方を解説します。
今回は、AnySwapを例に説明していきます。
- MetaMaskにUSDCトークンを追加
- MetaMask(BSC)でAnySwapに接続する
- ETHからPolygonにUSDCをSwapする
手順を確認してみましょう
MetaMaskでUSDCトークンを追加しておく
まずは、MetaMaskにUSDCトークンを追加しておきます。
BSCからPolygonへの送金を確認するために、PolygonNetworkでUSDCを登録しておく必要があります。
上記画像の、トークンをインポートからUSDCを追加していきます。
USDC(Polygon)のコントラクトアドレスは、CoinMarketCapで確認できますので、自分で確認しておきましょう。
念のため、以下にコントラクトアドレスを記載しておきます。
0x2791bca1f2de4661ed88a30c99a7a9449aa84174
アドレスをコピーして「トークンコントラクトアドレス」にペーストし、トークンシンボル、トークンの10進数が表示されたら「次へ」をクリックすると、トークンの追加が可能です。
簡単ですので、この際に是非やっておきましょう。
MetaMask(Polygon)でAnySwapに接続する
次に、MetaMaskでBSCメインネットに切り替えてから、AnySwapにアクセスします。
グーグルで「AnySwap」と検索すると、サイトが上位に表示されています。
右上の「Connect to a wallet」をクリックして、メタマスクウォレットを選択します。
MetaMaskの画面が表示されるので、AnySwapに接続するために承認がを実行すれば、AnySwapへの接続が完了します。
BSCからPolygonにUSDCをSwapする
ウォレットの接続が完了したら、USDCをSwapしていきます。
今回はバイナンススマートチェーン(BSC)のUSDCをPolygonのUSDCにSwapします。
From のところに「USDC / BSC mainnet」、Toのところに「USDC / MATIC mainnet」を入力します。
最低取引枚数を確認して送金していきましょう。
入力できたら「Swap」をクリックし、その後「Confirm」をクリックします。
MetaMaskの承認を再度実行して、ガス代が表示されるので確認して問題なければ「確認」を押してSwapを開始します。
数分でSwapが完了するので、再度にMetaMaskで追加したPolygonのUSDCが反映されているか確認してみてください。
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なお、使いやすい仮想通貨取引所については「おすすめの仮想通貨取引所」の記事でも詳しく解説しておりますのでぜひご参照ください。
ブリッジできるブロックチェーン/仮想通貨
仮想通貨のブリッジのやり方を解説したところで、5つの仮想通貨ブリッジを紹介します。
- AnySwap
- Wormhole
- cBRIDGE
- Poly network
- Polygon Bridge
それぞれ確認していきましょう。
AnySwap
2020年7月にローンチしたAnyswapは、様々なプラットフォームからトークンのスワップを可能にする完全分散型プロトコルです。
Anyswapのスマートコントラクトは、個別監査が可能なオープンソースでプラットフォームのセキュリティを強化しています。
プラットフォームが分散型であるかどうかを簡単に検証することができます。
同チェーンは、Ethereum、Binance Smart Chain(BSC)、Fusion、Fantom、Avalancheなどのブロックチェーンに対応しています。
Anyswapでは、BTC、ETH、USDT、XRP、LTC、など、署名アルゴリズムとしてECDSAまたはEdDSAを使用しているあらゆるブロックチェーン上のコイン間のスワップが可能です。
クロスチェーンスワップのほかに、スワップ・ペアに流動性を追加したり、引き出したりすることもできます。
そのほか、ネイティブトークンであるANYを発行しており、保有者は分散型取引所であるAnyswap DEXに上場させるコインについて発言権を持つことができます。
ユーザーはブリッジの取引手数料支払に使うことも可能です。
Wormhole
Wormholeは、Solanaと他のブロックチェーンネットワークとの間のブリッジです。
既存のプロジェクト、プラットフォーム、コミュニティは、トークン化された資産をブロックチェーン間でシームレスに移動させることができ、Solanaの高速かつ低コストの恩恵を受けることができます。
また、Wormholeでは、Portal Token BridgeとPortal NFT Bridgeが存在しています。
これによって、Wormholeブリッジを介してトークンとNFTの転送が可能になっています。
具体的に、Solana、Ethereum、Polygon、BSC、Avalanche、といった複数のブロックチェーンを繋ぐクロスチェーンブリッジとなっており、将来的には他のブロックチェーンのブリッジも予定されています。
cBRIDGE
cBridgeは、20以上のブロックチェーンとレイヤー2ロールアップにまたがる80以上のトークンをサポートする分散型のアセットブリッジです。
つまり、cBridgeは、イーサリアム上の異なるレイヤー2ロールアップとサイドチェーン、およびEVMがサポートするチェーン間の直接的な相互運用性と価値の移転を可能にします。
Ethereum、Arbitrum、Polygon、BSC間でトークンを低コストかつ低レイテンシーで瞬時に転送できるようになります。
特に、ArbitrumやOptimismのようなEthereum レイヤー2ロールアップチェーンでは、cBridgeにより、数分以内にこれらのロールアップチェーンへの入金と引き出しをわずかなコストで行うことができます。
また、ブロックチェーンのレイヤー2と全く別のレイヤー1ネットワークとの間で、対応するレイヤー1を経由することなく双方向のブリッジも可能となっています。
Poly Bridge
Poly Bridgeは、Poly Networkの機能の一つとなっています。
Poly Networkは2020年8月に開始され、同種のブロックチェーンと異種のブロックチェーン間の相互運用性を高めるクロスチェーンプロトコルです。
レイヤー1の孤立したブロックチェーンを相互に運用できるようにします。
同ネットワークは、取引、セキュリティ、信頼に関わるチェーンデータの問題を解決することに重点を置いています。
ただ、独自のトークンを発行していません。
現在Poly Bridgeでは、EthereumからBSCへ、またEthereumからHuobi ECO Chain (Heco)への異なる暗号資産のスワッピングをサポートしています。
Poly BridgeでもトークンアセットとNFTアセットを転送できます。
クロスチェーンでのNFTマイニングや取引にアクセスすることができ、低額の取引手数料しか必要としません。
Polygon Bridge
Polygon Bridgeは、Polygon(MATIC)ブロックチェーンとEthereum(ETH)ブロックチェーン間のクロスチェーン取引に使用されます。
これにより、ユーザーはスマートコントラクトを通じてERCトークンやNFTをPolygonのサイドチェーンに転送することができます。
Polygonのブリッジは、PoS(proof-of-stake)ブリッジとPlasmaブリッジの2つがあります。
どちらのブリッジもイーサリアムからPolygonへのトークン転送、またはその逆が可能ですが、セキュリティ方法に対する考え方が異なります。
PoSブリッジは、ETHとほとんどのERCトークンを転送するための一般的でわかりやすいブリッジです。
これは、PoSコンセンサスアルゴリズムを使用してネットワークを保護します。
Plasma Bridgeは、より高いセキュリティを必要とする開発者に適しているブリッジです。
Ethereum Plasmaスケーリングソリューションを使用し、MATIC、ETH、ERC-20、ERC-721トークンの転送をサポートしています。
仮想通貨のブリッジのリスク・注意点
最後に、様々な仮想通貨ブリッジが存在していることが分かったうえで、ブリッジを使用する際のリスク・注意点を紹介します。
- 資金が引き出せなくなるリスク
- ハッキングに合うリスク
- 有事の際は自己責任となる
それぞれしっかり確認しておきましょう。
資金が引き出せなくなるリスク
仮想通貨ブリッジは開発の初期段階にあるため、どのような種類のブリッジと相互作用する場合でも資金が引き出せなくなるリスクが存在します。
スマートコントラクトのコードにバグがありユーザーの資金が失われる可能性やソフトウェアの故障、バグのあるコード、ヒューマンエラー、スパム、悪意のある攻撃により、ユーザーの資金が引き出せなくなる可能性があります。
さらに、ブリッジオペレータは理論上、ブリッジを利用してユーザーの資産移動を停止させることができます。
ブリッジのオペレータがネットワークの50%以上のコントロールを掌握し、ロックされた資金を不正に取得出来てしまいます。
つまり、ユーザーの資金を盗むためにサービス提供側が結託することができるのです。
安易に、有名ではないブリッジを活用することは避けましょう。
ハッキングに合うリスク
有名でないブリッジでも比較的有名な仮想通貨ブリッジでも、ハッキングされるリスクが存在します。
2022年2月には、本記事で紹介したWormholeがハッキングを受け、SolanaとEthereumのブリッジから12万ETH(約476億円)が流出しました。
また、人気のNFTゲーム「Axie Infinity」を支えるイーサリアムのサイドチェーン「Ronin Network」では約663億円相当のETHとUSDCがハッキングによって盗まれました。
この際に、「Ronin Network」のブリッジである「Ronin Bridge」が標的となりました。
このように、仮想通貨ブリッジはまだ発展途上の段階なため、攻撃対象になりやすくハッキングしやすい場所となっています。
異なるブロックチェーン間をつなげるブリッジは、今後より成長していくことが見込まれていますが、ハッキングリスクに注意しながら活用しましょう。
有事の際は自己責任となる
仮に、ブリッジへの攻撃によって自分の資産がなくなった場合、自己責任となります。
自分自身の暗号資産ウォレットを繋げてブリッジを使用するため、国内の暗号資産取引所はもちろんのこと、海外の取引所も関係ないため、誰も助けてくれません。
直近では、ハッキングがあった場合、ホワイトハッカーとしてサービス元に資金を返すハッカーがいたり、サービス元が何とかして資金を補填したり、攻撃を受けても何とかなるとの考えが広まっています。
ただ、盗まれた資金が返ってこなくなる可能性も十分にあります。
仮想通貨ブリッジがハッキングされた場合は、資金が返ってこなくても自己責任となることを頭に入れておきましょう。
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仮想通貨のブリッジまとめ
今回は、異なるブロックチェーン間での取引を可能にする仮想通貨のブリッジについて紹介しました。
- 仮想通貨ブリッジは、異なるブロックチェーン間で資産を移植するためのツール
- 仮想通貨ブリッジによって資産の移動に手間がかからず無駄な手数料がかからない
- AnySwapやWormholeなどの有名なブリッジがある
- 資金が引き出せなくなるリスクやハッキングに合うリスクが存在する
- 初心者で安全安心に取引を行いたい方はCoincheckをチェック
ハッキングがあった際は、大きな話題となる仮想通貨ブリッジですが、異なるブロックチェーン間で資産を容易に移動できる機能は今後も活用が期待されています。
技術的にもハッキングされにくい仕組みになっていくと、仮想通貨ブリッジがもっと注目されるでしょう。
同記事を読んで、暗号資産のセキュリティーを重視したいと感じた方がいたら、Coincheck公式サイトをチェックして、是非仮想通貨を購入してみてください。