貸株とは?始め方からメリット・デメリット・配当金まで詳しく解説【やるべき?】
貸株という仕組みを御存じでしょうか。
貸株とは、保有株を証券会社に貸し出すことで金利収入を得る仕組みのことです。
株式を長期保有している投資家にとって、貸株サービスは少ないリスクで安定して金利収入を得られる仕組みですが、税制面を中心に注意すべき点がある仕組みです。
今回は貸株についてまとめます。
- 貸株とは、証券会社に保有株を貸すことで、その見返りに金利収入を得る仕組み
- 貸株のメリットは、金利収入を得られることや貸株中も自由に売買できることなど
- 貸株のデメリットは、継続保有特典を得られなくなることや貸株収入が雑所得とみなされ、確定申告が必要となること
- 貸株サービスはWEB上で申し込み可能
- 証券会社が破綻すると、貸していた株式が戻ってこない可能性がある
- 貸株をはじめるならSBI証券が使いやすい
貸株サービスを申し込みたい方に使いやすいのがSBI証券です。
SBI証券は国内株式個人取引シェアNo.1のネット証券会社で、貸株金利の面でも1%以上の高金利銘柄が数多くありますので、ぜひご検討ください。
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高橋禎美(たかはし よしみ)
初心者向けにセミナー開催、執筆多数。
株式投資、投資信託、FX、不動産投資など運用中。
女性、子どものマネーリテラシーを向上させるのが夢。
貸株とは?
貸株という言葉には2つの意味があります。
1つは、投資家が証券会社に株を貸し出すことで、もう1つは証券会社が他の投資家に株を貸し出すことです。
証券会社が行う「貸株サービス」とは、投資家が持っている現物株式を証券会社が借り、その見返りとして投資家に貸株金利を支払うサービスです。
いいかえれば、投資家は証券会社に持っている株を貸すことで金利収入を得られるということです。
証券会社は投資家から借りた株を機関投資家など他の投資家に貸し出し、貸株金利を受け取ります。
そして、その金利収入を原資として株を貸してくれた投資家に貸株金利を支払います。
貸株金利は証券会社によって異なりますので、実際に貸株サービスを利用する前に調べておく必要があります。
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貸株のメリット
投資家が貸株サービスを利用するメリットが4つあります。
4つのメリットの詳細を見ていきましょう。
- 貸株金利を受け取れる
- 貸株中でも自由に売却できる
- 長期保有している株式を有効活用できる
- 銘柄によっては高金利を得られる
貸株金利を受け取れる
貸株の最大のメリットは、証券会社に保有株を貸し出すだけで金利収入を得られることです。
株取引で得られる収入は、売買の差益(キャピタルゲイン)と配当金(インカムゲイン)ですが、これにもう一つのインカムゲインとして貸株金利が加わります。
株の貸出期限が設定されていないため、貸株サービスを利用している間、継続して貸株金利を受けられます。
貸株中でも自由に売却できる
貸株中でも、他の保有株と同じく自由に売買することができます。
貸株というネーミングや、証券会社に保有株を貸していることなどから、貸株中は自由に売買できないのではないかと誤解されることもありますが、そのようなことはありません。
通常の売買と同じ手続きで売買可能ですので、特別な手続きは不要です。
長期保有している株式を有効活用できる
保有株の中には、1年以上にわたり売買せず長期間保有している株式があるかもしれません。
通常、株取引で収入を得られるのは株を売却した時と配当を得られた時だけですが、貸株サービスを利用すると、毎月、安定的に金利収入を得られます。
無配当の株式や、何らかの理由で塩漬け状態で保有している株式から収入が得られるのは大きな魅力といってよいでしょう。
銘柄によっては高金利を得られる
貸株金利は通常0.1%ほどですが、中には1%を越える高金利の銘柄があります。
メガバンクの1年もの定期金利が0.002%(2021年11月現在)であることを考えると、0.10%でも十分高金利ではないでしょうか。
貸株金利は証券会社によって異なりますので、各証券会社のHPなどで確認しましょう。
なお、貸株を始めるなら各種の取引手数料が無料になっているため、取引コストがおさえられるSBI証券が使いやすいです。
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保有している銘柄で、しばらく売却の予定がないものは貸株にしておくことで無駄なく資産運用ができます。私も優待権利を保持したまま保有銘柄を貸株にしています。
高橋禎美
貸株のデメリット
貸株はリスクが少なくメリットが多いといったことが言われますが、デメリットはないのでしょうか。
貸株のデメリットを3つまとめます。
- 継続保有特典を受けられなくなる
- 貸株料(貸株金利)と配当相当額は雑所得扱いになる
- NISA口座の保有株を貸株にすることはできない
継続保有特典を受けられなくなる
株式の中には株主優待の一つとして継続保有特典を得られるものがありますが、貸株サービス利用中は株式の名義がいったん貸した相手に移ってしまうため、継続保有特典を受けられません。
継続保有特典を優先する場合は、貸株サービスを利用しないか、株主優待を得られる最低限の株を貸株に出さず保有しておく必要があります。
貸株料(貸株金利)と配当相当額は雑所得扱い
貸株中に得られた貸株料(貸株金利)と配当金に見合う額として証券会社から得られる配当相当額は雑所得扱いとなります。
株取引で得た収入は給与所得などと分離して課税される申告分離課税で、税率は20.315%と定められています。
しかし、貸株中に得られた貸株金利や配当相当額は雑所得となるため、給与所得など他の所得と合算して計算される総合課税の対象となります。
その場合、課税所得額によっては所得税や住民税が増額となる可能性もありますので注意が必要です。
また、雑所得扱いになると配当控除を受けられず、株取引の利益と相殺する損益通算の対象ともなりません。
NISA口座の保有株を貸株にすることはできない
NISA口座で保有している株式を貸株にすることはできません。
貸株サービスを利用できるのは、特定口座か一般口座で保有している現物株式のみです。
NISAに興味をお持ちの方は、「NISAのデメリット」「つみたてNISAの始め方」「NISAに使いやすい証券会社」などの記事もお読みください。
貸株におすすめの証券会社
貸株サービスは多くの証券会社が提供しています。
使いやすい証券会社としてSBI証券、松井証券、マネックス証券の3つを紹介します。
SBI証券
名称 | SBI証券 |
最低金利 | 0.10% |
現物取引手数料 | ・スタンダードプラン:50円~ ・アクティブプラン:0円~ |
特徴 | ・プレミアム金利適用銘柄がある ・貸株中でも株主優待や配当金を逃さない |
公式サイト | SBI証券公式サイト |
関連記事 | SBI証券の評判 |
SBI証券は国内株式個人取引シェアNo.1のネット証券会社です。
SBI証券では、貸株金利の上限が設定されておらず、1%以上の高い貸株金利の銘柄も珍しくありません。
SBI証券では、貸株中でも株主優待を得られる「優待優先」設定や、株主優待よりも1円でも多く金利収入を得たい方向けの「金利優先」設定があり、どちらでも希望の設定にすることができます。
貸株サービスを始めて利用するなら、ネット証券最大手のSBI証券が使いやすいです。
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松井証券
名称 | 松井証券 |
最低金利 | 0.20% |
現物取引手数料 | 0円~ |
特徴 | ・最低金利が0.20%以上 ・金利優先、優待優先、権利取得優先から選べる |
公式サイト | 松井証券の公式サイト |
関連記事 | 松井証券の評判 |
松井証券は大正7年創業の老舗で、日本で最も早く本格的なインターネット取引に乗り出した証券会社です。
松井証券の魅力は最低金利の高さで、他の証券会社が0.10%からとなっている中、松井証券は0.20%と他の多くの証券会社の倍の最低貸株金利を設定しています。
また、貸株設定を貸株料収入を優先する金利優先設定や株主優待を得られる優待優先設定、優待と配当金の両方を得られる権利取得優先設定の3パターンから選べます。
高い金利と設定選択の多さで決めるなら、松井証券が使いやすいです。
マネックス証券
名称 | マネックス証券 |
最低金利 | 0.10% |
現物取引手数料 | 55円(税込み)~ |
特徴 | ・都度の貸出設定が不要 ・受け取り金利シミュレーションが可能 |
公式サイト | マネックス証券の公式サイト |
関連記事 | マネックス証券の評判 |
マネックス証券は1999年に設立された大手インターネット証券会社で、口座数は190万を越えます。
マネックス証券の貸株サービスは、新しく買った株を自動的に貸株にすることができます。
事前に、優待設定や配当金自動受取サービスなどの設定をしておけば、一回一回設定する必要がなく、手間いらずで自動的に貸株金利を得られます。
さらに、受取金利シミュレーションもできるので、どのくらい貸株金利収入が得られるか見込みやすいです。
手間いらずで貸株サービスを利用したいなら、マネックス証券が使いやすいです。
証券会社によって、貸株の設定条件が異なります。最低貸株金利や配当・優待に対する権利を優先させられるか、貸株サービスを利用するときに何を優先させたいかがポイントになります。
高橋禎美
貸株の始め方
SBI証券の貸株サービスはWEBサイト上の手続きだけで申し込めます。
SBI証券での貸株の始め方を順を追って説明します。
貸株を利用できる人
貸株を利用するには、以下の条件を満たしている必要があります。
- SBI証券ですでにインターネット取引口座を開いている人
- 電子交付書面閲覧サービスを利用している人
もし、SBI証券の取引口座を開いていなければ、先にSBI証券の取引口座を開設をしてください。
また、電子交付書面閲覧サービスは、今まで書類で交付していた取引報告書などをWEB上で閲覧するサービスのことで、事前にEメールアドレスを登録しなければなりません。
貸株サービス申込みの流れ
まず、「貸株サービスのお申し込みはこちら」の黄色いボタンをクリックします。
次に、必要事項を記入して貸株サービスに申し込んでください。
この時、基本設定を「金利優先」とするか、「優待優先」とするか決めることができます。
申込み終了後、SBI証券からメッセージボックスに貸株サービス申込み完了のメールが届き、保有株式の貸株設定が可能となります。
手順がわかった方は、まずはSBI証券の公式サイトをチェックすることから始めてみましょう。
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貸株に関するよくある質問
貸株サービスは、売却益や配当金以外にも金利収入が得られる仕組みです。
貸株にサービスについて、よくある3つの質問をまとめました。
- 貸株で収入を得た場合、確定申告は必要ですか?
- 貸株中も株主としての権利を取得できますか?
- 証券会社が破綻した時、株式は戻ってきますか?
貸株で収入を得た場合、確定申告は必要ですか?
貸株サービスで得た金利収入は原則として確定申告しなければなりません。
貸株収入や配当金相当額は雑所得に区分され、他の所得と合算したうえで課税される総合課税の対象となります。
貸株中も株主としての権利を取得できますか?
貸株中に取得できる株主の権利は、貸株サービスの設定によって異なります。
上の表はSBI証券の株主権利に関するまとめですが、金利優先か優待優先かによって得られる権利がことなります。
貸株サービスの設定は証券会社によって異なりますので、貸株サービスを申し込む前に確認しておきましょう。
証券会社が破綻した時、貸した株式は戻ってきますか?
証券会社が破綻した場合、貸した株式が戻ってこない可能性があります。
通常、投資家の株式と証券会社の株式は分離して保管されているため、証券会社が破綻しても投資家の株式は保護されます。
しかし、貸株の場合、株式の名義が一時的に証券会社のものとなっているため、破綻した場合は証券会社の保有株とみなされてしまい、投資家に返還されない可能性があります
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貸株のまとめ
今回は貸株についてまとめました。
- 貸株とは、証券会社に保有株を貸すことで、その見返りに金利収入を得る仕組み
- 貸株のメリットは、金利収入を得られることや貸株中も自由に売買できることなど
- 貸株のデメリットは、継続保有特典を得られなくなることや貸株収入が雑所得とみなされ、確定申告が必要となること
- 貸株サービスはWEB上で申し込み可能
- 証券会社が破綻すると、貸していた株式が戻ってこない可能性がある
- 貸株をはじめるならSBI証券が使いやすい
貸株とは、証券会社に保有株を貸し出すことで、その見返りに金利収入を得られる仕組みです。
貸株の仕組みを利用することで、売却益や配当金以外に金利収入を得られるというメリットがあります。
しかし、所有名義が一時的に証券会社のものとなるので、継続保有特典を受けられなくなったり、貸株で得た収入が雑所得とみなされ、確定申告しなければならないというデメリットがあります。
とはいえ、貸株サービスは多くの証券会社でWEB上から簡単に申し込めるサービスですので、長期保有している株式を持っている方は検討する価値があります。
貸株サービスを申し込みたい方に使いやすいのがSBI証券です。
SBI証券は国内株式個人取引シェア国内No1で、貸株金利の面でも1%以上の高金利銘柄が数多くあります。
貸株サービスなら、SBI証券が使いやすいです。
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Media Argo公式LINEでは、投資家のみなさまにとって有益な情報を随時配信していきます。
まだ友だち追加がお済みでない方は、この機会にぜひ無料で登録しておきましょう。
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