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機関投資家&アナリスト フィスコ企業調査レポートアワード2016

昨今、コーポレートガバナンスやスチュワードシップコードに関する議論が盛んであり、企業IRへの関心が高まっています。今回の表彰制度は短期投資でなく中長期投資を可能にするための環境作り、それを理解する投資家や経営者の増加を図ることを目的としています。


昨年と同様に、評価項目は、機関投資家およびアナリスト中からフィスコが厳選した審査員である20名から希望が多かったESG、CSR、ビジネスモデル、成長性、社員満足度に絞り、当該審査員に2016年1年間にリリースされたフィスコ企業調査レポートの中から各評価項目の各々上位5社を選出してもらっています。なお、今回は審査員20名に回答をいただいていることから、審査員が全会一致で1社を1位に選出した場合、最高得点数は100点となります。



■ESG
1位 エスプール<2471>   59点
2位 クラウドワークス<3900>   33点
2位 メディカルシステムネットワーク<4350>   33点
3位 イーレックス<9517>   23点
4位 サカタインクス<4633>   19点


エスプールは障がい者のやりがいある職場づくりと企業の法定雇用率達成を支援し、知的障がい者に就業機会を創出しています。クラウドワークスは働き方改革への貢献、クラウドソーシングサービスによるフリーランス支援が注目されました。メディカルシステムネットワークは財団等による地域医療への貢献、札幌社会福祉フォーラムの運営サポートを行っています。イーレックスは植物由来の再生可能エネルギーである大規模バイオマス発電開発を積極的に進めています。サカタインクスは環境配慮製品率の高さや、あらゆる事業活動において環境に配慮した経営が評価されました。



■CSR
1位 KDDI<9433>   27点
1位 アサヒグループホールディングス<2502>   27点
3位 イオン<8267>   18点
4位 花王<4452>   12点
5位 NTTデータ<9613>   9点


KDDIは情報モラル教育への積極的な取り組みのほか、社会貢献サイト「キボウのカケハシ」の設置、障がい者向けIT教室の支援などを行っています。アサヒグループホールディングスは社有林「アサヒの森」における持続可能な森林経営に取り組んでいます。イオンはペットボトルキャップを通じて途上国の子どもたちを支援しているほか、地域社会への貢献として自治体との包括提携協定の締結を全国で進めています。花王は毎日の暮らしのなかで、子どもたちを守る清潔習慣づくりを支援しているほか、都市緑化機構との協働で地域の緑を守り育てる活動を支援しています。NTTデータは「社会や地域」「はたらく人」「地球環境」の3つの「しくみ」からなる「CSR重点テーマ」を掲げています。



■ビジネスモデル
1位 インフォマート<2492>   39点
2位 アライドアーキテクツ<6081>   20点
3位 アイリッジ<3917>   18点
4位 農業総合研究所<3541>   16点
5位 ティーケーピー<3479>   13点


インフォマートはストックビジネスモデルによる利益成長を実現しているほか、業界を問わない受発注などの統一化を促進しています。企業のSNSマーケティング活動を支援するアライドアーキテクツは、主要SNSとの強固な関係性が強みとして評価されました。アイリッジはブロックチェーン技術による地域電子通貨の取り組みが注目されています。農業総合研究所は「農業×IT」による農業流通革命で新しいビジネスモデルを生み出しています。ティーケーピーは空間再生流通事業という斬新さが評価されました。



■成長性
1位 RIZAPグループ<2928>   96点
2位 アライドアーキテクツ<6081>   40点
3位 JIG-SAW<3914>   36点
4位 アトラエ<6194>   20点
4位 農業総合研究所<3541>   20点


RIZAPグループは昨年に続き1位となりました。プライベートジム「RIZAP」事業を軸とした成長が続くうえ、積極的なM&Aの活用やグループシナジーの創出も評価されました。2位のアライドアーキテクツは企業におけるSNSマーケティングニーズの拡大を追い風に、2017年12月期の経常利益が前期比2.1倍に拡大する見込みです。JIG-SAWはIoT(モノのインターネット)社会の進展で注目されており、再生医療分野の取り組みにも期待が集まっています。アトラエは人材紹介サービス「Green」が好調です。農業総合研究所には農業の新しいあり方を主導していくと期待されています。



■社員満足度
1位 日本M&Aセンター<2127>   46点
2位 J-オイルミルズ<2613>   39点
3位 UTグループ<2146>   19点
4位 ベネフィット・ワン<2412>   16点
4位 ワールドホールディングス<2429>   16点


日本M&Aセンターは社員のチャレンジを促すとともに積極的な還元を行っています。コンサルタントのモチベーションの高さが同社の競争力につながっているとみられます。J-オイルミルズは福利厚生の充実や役割等級制度などにより、高い社員定着率を実現している点が評価されました。製造業向け派遣・請負大手のUTグループは業界No.1の定着率が強みとなっています。ベネフィット・ワンは社内ベンチャー制度やオープンポジション制度など社員が挑戦する環境が整っていることに加え、社内通貨による各種報酬制度が注目されました。ワールドホールディングスは人材・教育ビジネスにおける手厚いキャリア形成支援が評価されました。