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フィスコ統合報告書レポート
Vol.2
中堅企業における統合報告書制作の効用
WICI(世界知的資本・知的資産推進構想)のレポートに、中堅企業における統合報告書制作の効用について述べられていますのでご紹介します。
https://integratedreporting.org/wp-content/uploads/2019/05/NIBR_IR_for_SMEs_ENG_final.pdf
まず社内的には以下の効用が明らかになります。
- 説明責任を大切にする企業文化の構築、情報をモニタリング・分析するための経営管理システム構築
- セクショナリズム弊害の撤廃、事業部間、部署間の情報共有化
- 協働する組織体へのさらなる変化
- 経営層と社員との情報共有の改善
- より直感的に、より全体的に業況把握ができる
- 企業における価値創造への意識の高まり
- 企業内における、思いやり、敬意、自信の高まり(個性を顕在化させる)
- プロフェッショナルとして成長する機会提供
- 財務資本、製造資本、知的資本、人的資本、社会・関係資本、自然資本を質量面で掌握することができる
- 業務執行優先順位のより効果的な識別
- ゴールやプロジェクトの進捗管理の明瞭化
- 会社イメージ、存在感、レピュテーションの向上
さらに、以下の成果は経営層にとって大きな関心事です。
- 内部意思決定プロセスの改善
- 戦略的なビジョンの浸透
- 部門間の協調的思考の進展
- 業務執行の優先順位の明瞭化
- ステークホルダーの関心事項の理解の深まり
- 中長期に組織が対峙するリスクと機会の認識の深まり
- 社内コミュニケーションの活性化
- 意思決定機関、経営層の透明性向上
- 会社レプテーションの向上
一方、対外的なメリットとしては、
- 短、中、長期に企業がいかに価値を創造するかの情報提供
- 戦略と戦略実行の記述
- 全体的で分かり易いビジネスモデルの描写
- 会社組織の特有のエレメントならびにリスクと機会をモニターしてマネジメントする能力と強みの記述
- 資本の配分、活用、取り組みの解説
- ガバナンスの情報
- 環境・社会への取り組みの情報
- 業績と経営層報酬の関係を明らかにする
- ビジネスパフォーマンスや見通し(規制、セグメント開示、サプライチェーン)における重要な測定基準についての考え方、レポーティングについての有効なヒントになる
- 非財務資産がどのように会社特有の要素を創造し、結果どのように競争力強化につながっているかを経営層がハイライトできる
- 特にIPO予備軍であれば、成長の指針を進化させる
- どのように国際基準の透明性を確立しているかを見込み顧客に示す
- 社会との対話と信頼を向上
以上、参考になれば幸いです。