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フィスコ統合報告書レポート

Vol.8

テマセク・ホールディングスの環境宣言

世界で最も高評価の投資会社のうちの1つであり、ムーディーズによるAaa、スタンダードアンドプアーズによるAAAの格付けを有し、シンガポール所有の投資会社であるテマセク・ホールディングス(Temasek Holdings)は、11月14日、2030年までに投資ポートフォリオの温室効果ガスの排出を半減すると発表しました。 さらに投資ポートフォリオの温室効果ガスの排出をゼロにする検討もしていくとしています。

テマセク・ホールディングスのホー・チンCEOは、以下のように述べています。
 テマセクは主として、水、紙、電気、航空機輸送を消費していますが、今年度よりこれらの数値を開示することとします。また、すでにパリ協定や、国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の達成において先行しているテマセクの投資先がありますが、私共はそのほかの投資先においても、CO2等の直接的な排出量同様に、電気、水消費量等を開示するよう働きかけていきます。

事業成長と環境保護を両立させるためには、今後様々な逆風があるはずですが、技術革新がそうであるように、これらは脅威でありますが機会でもあります。それぞれの事業においては、システマティックに、かつ具体的に環境保護に対処するリソースや組織力があり、生産資源の効率化、社員教育、ガバナンス、環境保護等、組織の意識を変化させることができます。テマセクは、正しい事を正しく行う企業が社会的信頼を確保し、事業を継続するために社会が要請する社会的責任を強化していくことを手助けします。これから先の最大のチャレンジは、CO2やメタン等の温室効果ガスの排出を削減することであり、したがって米国やインドにおける石炭火力発電所の事業資産は、現在大きなリスクに晒されています。私共は、我々の地球のために、従業員やコミュニティティとともにすでに環境保護に向けて舵取りをとった企業を称賛します。

アジアでは世界人口の50%以上を占めます。我々アジアは、生産、消費、資源利用においてもその占有率が高まっていきます。テマセクは、シンガポールを含むアジアの企業に向けて、ファーストステップとして、まずは資源利用、排出量をトラッキングして開示するよう呼びかけていきます。これらのファーストステップは、効率を高め、コストを削減し、リスクを減少させることにも繋がり、または新たな機会を見出すことにもなり、2030年に向かってさらなる発展つながることでしょう。

同氏はスピーチの中で、シンガポールは先進国を反面教師とし、経済成長と環境保護を両立させる道を追求してきたと語り、具体的には、植林、大気汚染当局の発足、10年以上にわたるシンガポール川の水質浄化等に取り組み、すべての家庭へ飲料水が行き渡るようにもなり、同国は環境政策が「コスト」ではなく「継続的な投資」だと力説し、今後も継続投資を実施すると述べています。

テマセク・ホールディングスの環境宣言

以上、参考になれば幸いです。

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