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フィスコ統合報告書レポート

Vol.13

日本版スチュワードシップ・コードへの対応等に関するアンケート(第6回)結果について(2019年10月実施分)

日本投資顧問業協会は、12月18日に日本版スチュワードシップ・コードを受け入れている投資運用会社など239社を対象に実施し、97%にあたる233社が回答した会員調査結果を発表しました。

http://www.jiaa.or.jp/osirase/pdf/steward_enq2019.pdf

日本版ステュワードシップ・コードの指針3-3では、機関投資家が投資先企業の状況を把握すべきものとして、ガバナンスや社会・環境問題に関連するものを含む事業におけるリスク・収益機会への対応などESG要素を例としてあげていますが、日本株への投資残高を有するアクティブ運用を行っている運用会社のうち、その調査・分析・選別においてESG要素を考慮していると回答した割合は75.5%で、前年調査の62.9%から12.6%上昇しています。
また、ESG要素を投資プロセスにどのように組み込んでいるかについては(複数選択可)、

  • 「ネガティブ・スクリーニング(特定の業種・企業を投資対象としない)」42.9%
  • 「ポジティブ・スクリーニング(特定の業種・企業を投資対象とする)」28.6%
  • 「ESGインテグレーション(分析・選別において、ESG要素を体系的に組み込む)」64.9%
  • 「エンゲージメント」57.1%、「議決権行使」49.4%

となっています。さらに、ESG投資を行う理由としては、

  • 企業の評価にESGを取り込むことで、企業・社会の持続性を高めることや中長期の企業価値・運用パーフォーマンスの向上ができると考えているため
  • 用会社の立場として、インベストメント・チェーンの機能発揮やフィデューシャリー・デューティーを実践するため
  • 顧客からの要請のため

と挙げていて、より具体的には
「企業の本源的価値は企業が生む将来のキャッシュフローを総資本コストで割り引いて算出される が、割引率はリスク(株価のボラティリテイー)に大きく左右されます。リスクは ESG に留意 している企業ほど小さくなる傾向があり、ひいては企業の本源的価値を向上させる大きな要因と なります。また機関投資家の保有する投資額が実体経済を超える水準まで増大しているなか、社 会的意義として ESG に取り組む企業を応援しまた逆に破壊する企業から資金を引き揚げること が地球環境や人的資源の長期的な保全につながると思います。」と記述されています。

以上、参考になれば幸いです。

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