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フィスコ統合報告書レポート

Vol.19

SDGsは企業の「使命」

(株)大川印刷(本社/神奈川県横浜市、大川哲郎社長)は、2017年度よりSDGsを経営計画に取り入れながら本業を通じた社会課題の解決に取り組み、第115回かわさき起業家オーディション、第19回グリーン購入大賞、第2回ジャパンSDGsアワード、低酸素杯2019のSDGs活動4つの賞を連続して受賞し、業界の注目を集めています。同社の先進的な取り組みについて、大川社長は以下の通り述べています。

SDGsを従業員と共に進めていくには、個々の経験と課題感は非常に重要である。私よりも大変な経験をしている経営者の方も多いと思うが、その方達の経験からくる課題感は、実はSDGsに非常に本質的に関わってくるものになる。 SDGsは、1人1人の経験と課題感、想像力が重要である。

SDGsは誰のために、何のためにやるのかとよく聞かれるが、すでに損得のレベルでやる段階ではなくなってきている。皆さんのお子さん、お孫さんが数十年後どうなっているのか、気温がさらに上がっていたらどうなるのかということである。

未来に対して、私たちは間違いなく責任があるので、損得レベルではなく、SDGsへの取り組みは「使命」と言えるのではないかというのが私の考えである。自社の存在意義をかけているというのが、当社がSDGsに積極的に取り組んでいる理由の1つになっている。

SDGsの取り組みは従業員にも大きな変化を与える。CSRのときもそうだったのだが、本物の取り組みは、本質的な取り組みをする社員の成長を促す。ある女性社員は7年間パート社員であったが、ある日突然正社員になりたいと言ってきた。そして2ヵ月後にはプロジェクトチームのリーダーになり、最近は彼女が私のSDGsの講演依頼をもらってくるようにまでなった。なぜそこまでSDGsに突き動かされるのかと彼女に聞いたとき、「将来、2030年、2050年に不幸で生きにくい世界では決してあってはならないという強い気持ちが行動の原動力」という答えが返ってきたときは正直驚いた。彼女は二児の母であり、自分の子供の10年後、30年後のことを考えたのだと思っている。

いま、「グレタ世代」と呼ばれる若者たちがいる。十代の少女が気候危機に対して国のトップの人達がまったく動こうとしないことに対して授業をボイコットしているということが世界的に広がった。成功の反対は失敗ではなく、何もしないことである。成功の秘訣とは、上手に生きることではなく、諦めないといことである。

以上、参考になれば幸いです。

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