現代アート(コンテンポラリーアート)とは?特徴や歴史・有名作品を紹介
近年、日本のニュースでも現代アートの話題が多くなってきたと感じます。
今回は現代アートに関して詳しく見ていきたいと思います。
- 現代アートとは20世紀後半の第二次世界大戦後の1950年以降から21世紀にかけて制作された美術作品の名称です
- 現代アートとは多様性によって特徴付けられています
- 教育の観点から評価されるアートと国際的トレンドとは違う場合があります
- 現代アートを購入するならオークションが良い
- 現代アートの歴史・背景には様々な要因があります
- 2022年はベネチアビエンナーレ開催年です
冒頭で断言しておきますが、現代アートを理解する事は難しいです。
現代アートの見た目はカジュアルでファッション的要素に感じる場合もありますが、コンセプトやバックボーンは大変難解で議論を巻き起こします。
従って、今回の記事は概念的で読みにくい部分があると思いますが、ご一読頂けましたら幸いです。
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現代アートとは?
現代アートとは20世紀後半の第二次世界大戦後の1950年以降から21世紀にかけて制作された美術作品の名称です。
従って、戦後美術やコンセプチュアルデザインなどに分類される作品も現代アートと区分されます。
現代アートの特徴
現代アートとは多様性によって特徴付けられています。
表現を変えると強いメッセージ性があるとも言えるでしょう。
社会情勢や社会問題を反映した作品や、美術史や社会への問題提起・批判を感じさせる作品が大変多く、作品の制作背景を理解する事も重要な鑑賞ポイントと言えます。
よく『芸術は分からない』と聞きますが、これは現代アートが鑑賞側に考えさせる特徴を持っている為だと言えます。
メッセージ性を印象付ける為に、現代アートには3つの特徴があります。
- 問題定義がある事
- 主義・主張がある事
- 議論を呼ぶ事
多様性を持って文化的対話を展開する事が現代アートの特徴です。
ここではその3つの特徴を日本でも有名なアーティスト・バンクシーを例にして説明していきますので一緒に見ていきましょう。
問題定義がある事
現代アートには問題定義要素・コンセプトが必須です。
そして、コンセプトを生むアーティスト自身には作品展開において根本に何が潜んでいるのかを提唱する力が必要不可欠です。
現代アートには作家の問題定義を可視化させる為の手段として展開されます。
バンクシーの場合は『人道的行いとは何か?』であったり『善意と資本力の矛盾』と言った問題定義を活動の軸とします。
バンクシーは自身の問題定義の可視化の為に2019年にホテルを作っており、その場所は政治的・民族的軋轢が激しいパレスチナ自治区のヨルダン川西岸地区に位置します。
富裕層の方がこぞって億単位で落札する作品を一泊70$で一晩共にする事が出来るのです。
現代アートの特徴・1つ目は『問題定義がある事』でした。
主義・主張がある事
問題定義と共に重要な点として主義・主張がある事です。
現代アートには『〇〇をどう思いますか?』と言った問題定義だけではなく、必ず『私は○○です』と言った主義・主張が付いて回ります。
バンクシーは世界中で行われているバンクシー非公式のバンクシー展に関してプロダクト・リコールを訴えています。
資本の基で消費されるバンクシー作品は『リアル』ではなく『フェイク』であると以下の公式サイト上で主張しています。
なお、彼の主義・主張は別ページから閲覧する事が出来るのでそちらもリンクを張っておきます。
Pest Control (pestcontroloffice.com)
公式サイトもQ&Aサイトもバンクシー節が効いており、中々面白い文章です。
現代アートの特徴・2つ目は『主義主張がある事』でした。
議論を呼ぶ事
現代アートの特徴の最後は、議論を呼ぶ事です。
例えば、『これはアートなのか?』や『アーティストと呼べるのか?』など、根本を問題視するような議論を呼ぶ事も珍しくありません。
議論を呼ぶ事と言えば、バンクシーのサザビーズオークションのシュレッダー事件を書かない理由はないでしょう。
SNSや雑誌での彼の発言を要約すると『ストリートアートはオークションで富裕層が購入するものではない』と言った理由からシュレッダー事件は発生したそうです。
衝撃的すぎる演出ですが、議論の的となった事に変わりはありません。
現代アートの歴史
現代アートの歴史に関して触れていきたいのですが、真面目に説明してしまうと非常に長く堅苦しい内容になってしまいますので、全体をざっくりとお話していきたいと思います。
詳しく知りたい方の為に今回も英語版ウイキペディアの現代アート説明リンクを張っておきます。※詳しい年表と分布も一覧で確認できるので見てみて下さい。
今からご説明する3項目が世の中にある全ての現代アートに当てはまる訳ではありませんが、現代アートの歴史・背景には欠かせない内容です。
時代背景や政治的事情
時代背景や政治的事情と現代アートは密接に関係します。
ピカソの『ゲルニカ』に代表されるような時代背景や政治的事情に対する問題定義・主義主張・議論展開はアートシーンで欠かせません。
- 1950年代 ソビエト時代の地下芸術やSoviet Nonconformist Art(日本語直訳:ソビエト非公式芸術)
- 1980年代 反消費者社会運動Culture jamming(バンクシーのような街角のステンシルアートもここに分類されます)
- 1990年代 シニカルリアリズム(中国)
人権運動や環境運動
人権運動や環境運動などもアートの歴史を語る上で重要な内容です。
- 1970年代 フェミニストアート
- 1980年代 エイズ記念キルト
- 2000年代 Renewable energy sculpture(再生可能エネルギー彫刻)
他にも様々な活動があります。
精神疾患
薬やアルコールなどに代表される依存であったり、先天性後天性の精神疾患は現代アートと密接な関係にあります。
- 1960年代 サイケデリックアート
- 1970年代 Outsider art(直訳:アウトサイダーアート)
デュシャンの『泉』(1917年)と言う作品が1950年以降に展開される現代アートの根源と言ってしまっても過言ではないと思います。※リンクは英文版のウイキペディアです。デュシャンの項目も『泉』に関してもかなり詳しく書かれていますので、参考にしてみて下さい。
『泉』とは1917年に制作されたレディメイドの芸術作品であり、磁器の男性用小便器を横に倒し、”R.Mutt”という署名をしたものに「Fountain(噴水/泉)」というタイトルを付けたものです。
リンク先の記述でも分かる通り、デュシャンも『泉』も現在でも議論を呼ぶものです。
有名な現代アート作品
先にお話ししておきたい事に、日本国内で国内教育の観点から評価されるアートと国際的トレンドとは違う部分があります。
美術教育で教科書に掲載されている現代アートが国際的にも人気が高騰としているとは限らないので気を付けておいて下さい。
今回はクリスティーズやフィリップスなど欧州圏オークションハウスで落札率も落札額もハイクオリティを保ち続ける資産として人気がある現代アーティストを選出してご紹介します。
バスキア
バスキアは価格的に今、とてもホットなアーティストと言えます。
前澤友作が所蔵するバスキア大作《Untitled》(1982)が2022年5月18日のフィリップス・ニューヨークで開催される20世紀・現代美術セールで競売へに掛けられますのでぜひチェックしておきましょう。
予想落札価格は80億円以上とご本人のTwitterアカウントより情報が流れています。
ダミアン・ハースト
こちらも非常に有名なアーティストの方です。
CDジャケットなどの仕事も積極的に熟しているので、画像検索して頂いたらすぐに分かると思います。
映画やミュージックビデオなどで彼の作品のオマージュを沢山見る事が出来ます。
彼はNFTアートにも積極的な一面があります。
上記リンク以外にも2つほど同時進行でシリーズ展開されているようです。
ジェフ・クーンズ
こちらのアーティストも名実ともに有名なアーティストです。
UNIQLOやsupreme、BMWなど名だたるブランドとコラボしているアーティストの一人なので、ご存じの方も多いと思います。
ダミアン・ハーストも同様ですが、彼も作品をビジネスに落とし込む活動が得意な作家です。
何万人とアーティスト登録している名鑑がありますが、一番分かりやすいのがクリスティーズの人気検索アーティストを一覧に纏めているページをシェアします。
現代絵画、版画、現代美術、旧巨匠の美術作品|トップアーティスト|クリスティーズ (christies.com)
今回上記でご紹介したアーティストの落札結果や履歴も勿論チェックできますので見てみて下さい。
現代アートを購入するならオークションがおすすめ
現代アートを購入するならオークションが良いでしょう。
- クリスティーズ
- サザビーズ
- フィリップス
この3大オークションにまず登録して、比較を楽しんでみる事から始めると面白いと思います。
また、メルマガやSNSでの発信も含めてチェックしてみると購入スケジュールも計画出来て効率的です。
日本語しか出来ないであったり、時差のハンディを解決したい場合など、リクエストは全てオークションハウス側にその旨を相談してみて下さい。
日本国内で買える現代アートには限りがあります。
リセールバリューの為にも『○○で購入した○○』と誰にでもその価値を納得してもらえる内容で購入するようにしましょう。
オークションでの落札結果や値動きが分かるサイトを紹介しておきます。
Artsy — Discover, Buy, and Sell Fine Art
アーティストを詳しく網羅しているサイトなので、『どんなアーティストがいるのかな?』とザッピングしても楽しいです。
現代アートの今後の見通し
現代アートの今後の見通しですが、NFTアートの高騰やアジア圏でのアート投資の注目に加えて、今年2022年はベネチアビエンナーレの開催年でもあります。
現在のトレンドを織り交ぜて現代アートの今後の展開に関してお話してまいりましょう。
NFTアートに注目
現代アートの今後の見通しを語る上で、ウクライナ情勢は欠かせないキーワードになってくると思います。
連日報道されるロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシアのアクティヴィスト集団『pussy riot』らがウクライナを支援する為のプロジェクトチーム『ukraineDAO』を発足して活動を開始しています。
寄付金受付:
ウクライナ支援国旗NFTアート販売先(オープンシーではありません):
UkraineDAO is bidding on Ukrainian Flag | PartyBid
オープンシー上にもpussy riotのページはありますが、そちらは今回のウクライナ支援NFTアート販売とは別のシリーズです。
また、オープンシー上には『pussy riot』や『ukraineDAO』を謳うフェイクアカウントが既に登場しています。
オンライン上のアート購入やアート支援の際は必ずアーティストの公式アカウントから情報確認して下さい。
アジア圏作家に注目
日本は勿論の事、南アジア、中国系、韓国などアジア圏出身のアーティストには昨今注目が集まっています。
アジア圏にアート購入の資本力が集中しているので、自ずとアジア圏のアーティスト支援に恵まれる状況が作られていると言えるでしょう。
それはただ高額落札されるアーティストがアジアで増えただけではなく、広い意味で美術教育や観覧施設の充実などで還元される機会が増えると考えられます。
アジア圏でアートへの理解が深まる事により魅力的な都市開発が進む事も期待出来ます。
観光地の再生化に現代アートを活用するであったり、高級ホテルの入った施設内に現代アートを展示するであったり、様々な利用が期待されます。
ベネチアビエンナーレ
ベネチアビエンナーレとは、2年に一度開催されるアートのオリンピックです。
コロナ禍の影響で2021年に開催されず、今年2022年に開催される予定が組まれています。
NFTアートの展示が予定されていたり、ロシアが不参加を決定したりと、始まる前から話題のイベントです。
どんなアーティストが活躍するのか、今から公式サイトを確認しておきましょう。
場合によっては購入の際の指標となる事でしょう。
現代アートのまとめ
いかがでしたでしょうか。
それでは今回のおさらいを見てみましょう。
- 現代アートとは1950年以降から21世紀にかけて制作された美術作品の名称です
- 現代アートとは多様性によって特徴付けられています
- 教育の観点から評価されるアートと国際的トレンドとは違う場合があります
- 現代アートを購入するならオークションが良い
- 現代アートの歴史・背景には様々な要因があります
- 2022年はベネチアビエンナーレ開催年です
今回は現代アートに関してお話してきました。
最後までご覧いただき誠にありがとうございます。
Media Argoでは、富裕層向けのプレミアム情報を随時配信していきます。
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